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「むらやまじゅん」という人をご存知ですか? フリーライターで、主にアイドル評論や漫画評論をやっている人です。
「やっている人です」って断言してみましたが、実は私もあんまり彼のことを知りません。
何故、私が彼をリスペクトしているかというと、2年程前の彼のコラムを読んで、いたく共感したからです。

もしかしたら、週刊「SPA!」の愛読者の方だったら、彼のことをご存知かもしれませんね。
むらやまじゅんとは、週刊「SPA!」の「特上!文化丼」という1週間のおすすめ情報の中の、
「ブック&コミック」というページで、よくマンガのコラムを書いている人です。

『幕張』9巻が出た直後の、98年の2月18日号の「SPA!」に、
むらやまじゅんは『幕張』について、こんなコラムを書きました。


2押しコミック編 珍味定食・ツウ好み
作者との「決闘」にあなたは勝てるか。20世紀最大最後のギャグ漫画『幕張』
『幕張』は決闘だ。「これって絶対笑えないと知っててあえてやってみたってわかってる?」
と攻めてくる作者のギャグをどこまで理解できるかの対決なのだ。
『幕張』は読み手に対し高圧的に高度なギャグセンスを欲求する作品ゆえ難解だが、
20世紀最大最後の傑作と断言できる。

その『幕張』がようやく全巻出揃った!!タレントやコメディアンのを名指しで批判し
(また的を射ている!)、ライバル誌の人気作品パロディがあり、
連載誌内の掲載作品をバカにして、果ては担当編集の浮気や職権乱用まで物語と関係なく描く。
笑うよりも作者の立場が心配になるほどその笑いは徹底的に黒い。
少年誌連載でありながらホモ・アナル・レイプ・いじめ・職業&人種差別、
そんなネタをギリギリのトコまで描き通した才能は並々ならぬモノである。

この気鋭の天才もまた、いきなり連載を打ち切り、消えた。
最終巻には、かつてジャンプ誌上で”壊れ”、一時本当に消えたマンガ家になりかけた
孤高のギャグ作家・漫☆画太郎のパロディが描き下ろされていた。次作を読む日は遠そうだ。
(むらやまじゅん)

幕張
木多康昭作。『ジャンプ』で連載された傑作ギャグ。全9巻。
DJ的にあらゆるネタを取り込み、強制的につなげる独特なグルーブが秀逸。
(著者に転載許可済み)


私はこれを読んだ当時、一応ジャンプでリアルタイムで『幕張』を読んではいたが、
とりたててファンということではありませんでした。
だから、『幕張』が全巻出揃ったというこのコラムを読んでも、「ふうん」という感想しか持たなかったんです。
『幕張』ファンになってから、ふとこのコラムの存在を思い出し、本棚をあさり、当時の「SPA!」を
取り出してみました。すると、むらやまじゅん氏の評は、私の感想にとても近く、その上『幕張』を
的確に言い表していることに気が付いたんです。
彼ほど的確にかつ短い文章で『幕張』を語れる人はいないのではないでしょうか。
<作者のギャグをどこまで理解できるかの対決>という箇所に、
もう1度『幕張』について考えさせられてみたり。

<DJ的にあらゆるネタを取り込み、強制的につなげる独特なグルーブが秀逸。>
ってのもいいですね。しかもなんだかかっこよく紹介してますね。
繋げ方は強引だけど、その強引さも魅力の1つです。

私はリアルタイムで『幕張』のファンではなかったため、紙媒体での『幕張』評論はこれしか読んだことがありません。
だが、ネット上で多々(でもないかぁ)ある『幕張』論の中に、むらやま氏ほど、『幕張』を簡潔に表し、
紹介している文には出会ったことがない。

(もし他にも、紙媒体での『幕張』評をご存知の方がいらっしゃいましたら、
ご一報下さい。探してます。メール、もしくは掲示板まで。)

むらやま氏の論に、全く異論が無い、ということも、私がこの文章を好きな理由です。
私と同じように『幕張』を読んでいる人がいる、と思うと嬉しかったし。

マンガのコラムというものについて、考えさせられるきっかけとなったのも、これです。
この、98年2月18日号の「SPA!」のむらやま氏のコラムを読んで感動し、
「SPA!」のバックナンバーから、他のむらやま氏の文章を探してみました。

とりあえず、私の手持ちの「SPA!」ではこんな感じ。↓

00 3-22押川雲太郎『BET』
99 10-27作・西村ミツル 画・かわすみひろし『大使閣下の料理人』
98 9-9作・森高夕次 画・阿萬和俊『総理を殺せ』
98 4-22ロビン西『ポエやん』
98 2-4安達哲『幸せのひこうき雲』
98 1-28作・北沢未也 画・秋重学『D−ASH』

どれも簡潔に紹介されてて、それは字数制限のあるコラムなら当然のことなのだろうが、
それでも他のライターに比べ、むらやま氏の文章は「読みたい!」という気にさせられました。
好きなタイプの文章ってこともあるけど。
マンガ評論は、例えば『別冊宝島』の「ザ・マンガ家」シリーズ2冊とか、 週刊誌の漫画評とか
それぐらいしか読んだことはないのですが、むらやま氏の文章が一番好きです。

そしてどうやら、むらやま氏は毎週コラムを書いてるわけではない模様。
コミック紹介は、週に2人ずつ数名の人々が書いている。
「特上!文化丼」のページは98年からで、それ以前はマンガのコラムは特に無い。

このコラムページでは、2000年3月22日号において、
斉藤藤湖氏が『泣くようぐいす』を紹介しているが、
う〜ん・・・・、むらやまじゅんに書かせればいいのに・・・って内容でしたよ。
他のマンガの紹介だったら、斉藤氏の文章も好きなんですけどねぇ・・。
(『ヒカルの碁』の紹介文なんかはよかったですし。)
なんか『泣くようぐいす』への愛をあんま感じさせられないものでした。



ところで、「日経エンタテイメント!」2000年7月号の、「業界ナンバー1物語」という特集の中の
「No.1をめぐる天国と地獄―長期連載にまつわるマンガ家の悲劇の巻―」というコラムに、こんな1文が。

運動不足と睡眠不足、腰痛や痔などの職業病とも戦うが、人気もお金も離れていくので、入院すらできない(木多康昭『幕張』に詳しい)。
だから、ひたすら描く・・・。


こんなふうに、たった1行でもいいので、紙媒体での『幕張』情報を募集中。
『泣くようぐいす』情報も同時募集。



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