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この全6話の短期集中連載はセンターカラーで始まったため、本来、扉を含めた冒頭2ページがカラーのはずなのですが、コピー代をケチったために左の画像(第1話 扉)はモノクロになっています。 巻末コメントに<ヤンマガに載せて頂き感謝してます。>とあることから、これが三枝まなお(みえだまなお)のヤンマガ本誌初掲載に思われます。これ以前にヤンマガ増刊に掲載されたことはあるか、はたまたヤンマガということはちばてつや賞の受賞歴はあるかなどは全くもってわかりません。
と第1話扉のアオリにあるように、ひょんなことから仮面を付けて「黒い生徒」と名乗るようになった高校生の物語です。 この連載と98年の読切「はっするウエポン」を合わせてもコミックス1冊には微妙にページ数が少ないからか、残念なことに単行本化はされていません。 余談ですが、ヤングマガジンではこれと同時期に、「シャーマンキング」の武井宏之の6歳下の実弟・武井宏文が高卒1年目(連載始まったのは高3の時だったかも)に「大東京忍者伝 かげろうくん」を月1連載していました。こちらは全1巻で単行本化されています。同時期にヤンマガで連載していて年齢(現在の公称)が1つ違いでもある二人のうち、ジャンプ移籍に成功した三枝まなお(尾玉なみえと同一人物だと仮定しての話ですが…)の方の連載が単行本化されていないのは残念です。(武井宏文は「赤マルジャンプ 1999 Summer」でジャンプデビューしています) 私はこれをリアルタイムで読んでいますが、当時は面白いとは思えず、「黒い生徒とかいう漫画、気持ち悪い」と、あまり好きではありませんでした(終わった時はむしろホッとしたぐらいです)。 主人公の仮面を外した時の顔が無表情で眉毛と唇が分厚く、脈略の無い挙動不審な行動が気持ち悪くて受け入れることができなかったのです。 絵柄は尾玉先生のものに似ていますが、「これは尾玉先生の過去の作品だろう」と断言するほど似ているわけではありません。 実際、2000年の初夏に最初の読切ver.の「純情パイン」を初めて読んだ時に、「ああ、こういう漫画ってヤンマガでもやってたな。今こういうのって流行ってるのかな。赤塚賞選評でうすた先生が『天才だ』と絶賛するほど、目新しくもないけれど。むしろヤンマガの人に影響を受けたんじゃないかしら」と思ったぐらいです。当時は三枝まなおという名前や「(仮)マスカレード学園」のタイトルももすっかり忘れてましたし(というか、ひまつぶし程度に読んでいたものだから記憶に残らなかった)、同一人物かもしれないとはゆめにも思わず、単にノリが似ている漫画としか思えませんでした。 一連の尾玉作品以外に、おなまだ絵美の2作品とこおろぎあぽじを読んできた現在ならば、「(仮)マスカレード学園」の絵とこおろぎあぽじの絵が酷似していることから、尾玉先生の過去の作品であるかもしれないという疑惑も生れてきます。 絵と作品の雰囲気という、あやふやな判断材料だけではなく、これが過去の尾玉作品であろうと断言できる決定的なものは、第5話の巻末コメントです。
「オナップ」とは、言うまでもなく「純情パイン」に登場する宿敵・オナップ星人です。 オナップ星人のルックスは、1965年の東宝ゴジラ映画「怪獣大戦争」に登場するX星人がモデルだと考えられていますが、「オナップ」という名前については謎のままでした(たぶん)。 絵と作風が似通っていて、なおかつ「尾玉なみえ」のアナグラムの名前をした漫画家の、過去のあだ名が「オナップ」だっただなんて!! 「三枝まなお」は尾玉先生の過去のペンネームであるかもしれないという疑惑が、ますます高まり、確信さえしてきました。 それでは、「(仮)マスカレード学園」の全話紹介をしてみましょう。 第1話「とりあえず全裸からいこうか!」 無人の教室に置き忘れられていたラケットを見つけた井上武夫。それを用いて一発ギャグをやるが一人すべりする。怒ってラケットを壊したところに、テニス部の吉川君がラケットを取りにやってきた。慌てて仮面で顔を隠す主人公。仮面を付けたまま、ラケットを壊した犯人を許すよう、吉川君に付きまとう。「君 名前は?」「黒い生徒。」 第2話「そういうのは愛がなきゃダメなんだよ!」 保健室での仮眠が唯一の安らぐ時間の優等生・河田君。そこへ、保険の白鳥先生(美人)のオッパイ(ボイン)を揉みまくる「黒い生徒」が現れた。仮面で顔を隠せば誰だかわからないと気付いた河田君は、自分も狐のお面を付け始めた。「黒ちゃん」「コンちゃん」と互いを呼び合い、黒い生徒との間に友情が芽生えた河田君。二人でコンビを組んで白鳥先生にセクハラ三昧。 第3話「斉古さんの沈黙 <「あぎょうさん、さぎょうご」という言葉を残し、赤マントは去っていった。> 「1週間以内にこの言葉の謎が解けないと、赤マントの男に生きたまま全身の皮をはがされるのよ」クラスメイトの斉古さんの話を盗み聞きしていた井上武夫。怖くなった井上は、謎を教えるよう斉古さんに付きまとう。途中でうっかり記憶喪失になるが、黒い生徒に変身して解決。 第4話「竹林の怪物」 弓作りのために竹林に侵入し、勝手に竹を切り始める井上武夫。土地の所有者(じじい)に見つかり、慌てて黒い生徒に変身して難を逃れようとするが、逆方向から竹林の怪鳥「ASKA」の攻撃に遭う。じじいと共に、ASKA退治に乗り出す黒い生徒。 第5話「下足室の能面」 木村タケシ・通称キムタケは女生徒にモテモテ。女生徒の笛を盗み、誰もいない教室で恍惚と笛をなめなめ。それをロッカーの中で荒行中の「黒い生徒」に見られる。笛好きがばれたら破滅する―。黒い生徒に口止めをするために、能面を被り黒い生徒の捜索を始める空手家キムタケ。 第6話「最終回」 能面(ノーメン)に仮面をはがされ、自己を崩壊した井上武夫。二度と仮面を付けないとコンちゃんに誓う。それでもなお井上を付けねらうノーメン。白鳥先生の白衣やじじい、ASKAも学校にやってきて、皆で協力してノーメンを捕らえることに成功する。開き直るキムタケ。「俺は女生徒の笛が好きだぁ!!! 笛があればごはん3杯はいける男!!!」今日がキムタケの『笛好き』カミングアウト記念日。 こおろぎあぽじ「少年エスパーねじめ」にも、女生徒の笛なめ好きのハンサムボーイが登場しましたが、(こおろぎあぽじと三枝まなおが同一人物だと仮定して)この人は、女の子からモテる男の子が実は「笛なめ好き」という設定が本当に好きなんだなぁ…。連載当時は苦手でしたが、今読むとけっこう面白いです。特に笛なめ好きの男には、素で笑ってしまいました。 |
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「(仮)マスカレード学園」から一年後の三枝まなおの読切は、一目見て「これって尾玉なみえじゃん!!」と叫ばずにいられないほど、読切ver.の「純情パイン」の頃の絵に酷似しています。こおろぎあぽじよりも1年半も前の作品であるのにもかかわらず、絵だけを見ると、こおろぎあぽじ「少年エスパーねじめ」よりもずっと尾玉先生に近いです。 -------------------- 女子中学生・河原さんは、相談に乗ってもらおうと、学校帰りにIQ200の天才中学生・相川くんを家に誘う。河原さんの家で、キュウリをボリボリとかじる河童のお母さんを見て驚く相川くん。河原さんから、小さな頃に両親の片手が伸びた話や、小学生の頃に親友のゆう子ちゃんがお母さんに飲み込まれて木になった話などを聞かされる。その話を、お母さんに立ち聞きされて危険を感じる相川くん。河原さんの機転でその場から逃げ出すが、河原さんの悩みとは……?! -------------------- なんとも不思議な話です。扉には「スペシャル読み切りGAG!!」と書いてありますが、私にはギャグには思えませんでした。「ガロ」あたりにありそうな短編といった感じです。「(仮)マスカレード学園」で強く感じた気持ち悪さはありませんが、読後感はあまりよくなかったです。 | |
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上で紹介したのは、「純情パイン」が第52回赤塚賞準入選を受賞した時の審査員の講評(週刊少年ジャンプ2000年27号)です。 当時私はジャンプの定期購読はしていなく、目当てのものだけを立ち読みしていた頃でしたが、パラパラとめくって目に入った、「純情パイン」についての岡野先生の講評を読み、「どこらへんが少年誌向きじゃないんだろう…?」と気にかかり、結果発表と同時に掲載された準入選作の「純情パイン」を読んでみたのでした。 「(仮)マスカレード学園」と「はっするウエポン」を過去にリアルタイムで読んだことがあったので、「こういうタイプの漫画ってヤンマガにもあったなぁ…」と新鮮さは感じませんでした。しかし、大きな乙女が怪獣と戦うという発想や台詞回しの面白さ、かわいい絵だから許されるようなえげつない下ネタに夢中になってしまいました。 続いて発表された「赤マルジャンプ 2000 Summer」での「純情パイン」と連載初期の「純情パイン」には、少々トーンダウンを感じてしまい物足りなかったのですが、連載が進むに連れてだんだん好きになってきてしまいました。コミックスも購入しましたが熱心なファンというわけではなく、「割りと好きな方かな」といった程度のライトなファンだったのですが、そんな私が尾玉先生のものだとおぼしき過去の5作品を探してきて読むほどに夢中になったのは、週刊少年ジャンプ2001年46号に「少年エスパーねじめ」が掲載されてからです。 以前にも書きましたが、私は「純情パイン」で彗星のように現れた女の子ことを、ひょっとしたら「初めて描いた漫画が賞をもらっちゃって、トントン拍子で話が進み…」って感じのラッキーガールなんじゃないかしらと思い込んでいる節がありました。「純情パイン」のコミックスの袖に掲載された写真には、ペンを握っていてややうつむき加減になっており顔がハッキリとは見えないようになっていましたが、それでも年齢よりやや大人っぽいキツそうな美人が写っていました。ジャンプの目次や「赤マルジャンプ 2000 Summer」での自画像は、「パイン」に登場するあつめちゃんのように描かれていて、あつめちゃんに似たアメ村にいそうなサブカル好きの女の子なのかなと尾玉先生のことを思っていましたが、コミックスのとびきり美人な写真を見せられては、「あんなきれいな子があんなマンガ描くわけないわ!漫画家を目指すよりはモデルになったりしそうな感じ!きっとそれまで漫画は描いてなかったんじゃないかしら…?」なんて考えが浮かんできてしまいました。(そんなに美人美人言うほどの写真じゃないじゃん…と思われるかもしれませんが、好みなんだよ!!) 「少年エスパーねじめ」掲載後、すぐにこおろぎあぽじの名前が浮上し、「まさかあの綺麗な尾玉先生が過去に他誌でも描いてたかもしれないだなんて!」とさっそくその同タイトルの読切を入手し、尾玉先生の手によるものだろうと確信しました。尾玉先生に「純情パイン」以前の過去があっただなんて!これは他にももっと出てくるのではないかと思いました。私はアイドルでも、華々しくデビューしたポッと出の子よりも下積み生活の長い子を応援する傾向があります。一点の曇も無い子よりも、過去のC級仕事を発掘されるような子が好きなんです。そんな趣味を持っているからか、こおろぎあぽじ発覚後の尾玉先生のことを、今までの数倍も魅力に感じるようになってしまいました。 自分のことを屈折したファンだとは思います。もちろん、「純情パイン」や他の尾玉先生の読切が好きなことには変わりがないのだけれど、過去の作品を読むほどのファンになったのは、こおろぎあぽじ発覚以後です。 尾玉先生の作品は、「ジャンプに向かない」「青年誌向きだ」と言われることが多いです。おなまだ絵美・三枝まなお・こおろぎあぽじが本当に尾玉先生の過去のペンネームだとしたら、青年誌出身ということになるからそう思われるのも道理なのですが、私は尾玉先生はジャンプというブランドの中で描いてこそ、輝くのだと思っています。 尾玉先生のものと思しき過去の5作品はどれも、一番最初に「純情パイン」を読んだ時のようなインパクトは感じませんでしたし、何の予備知識を持たないまま読んだとしたら(実際、三枝まなおはリアルタイムで読みました)、そう惹かれるものは無かったことでしょう。 「純情パイン」や他の尾玉作品には、台詞回しやストーリー、かわいらしい字の効果音などに女性らしい細やかさとセンスが垣間見えます。登場人物の名前や設定の元ネタのジャンルは多岐にわたり、21歳の女の子とは思えないほどの(でもそういう子ってたまにいますよね)博学さがうかがえます。主要キャラが小学生というところも好きです。過去のものと思われる5作品には、そのような特徴はみられず、そこに尾玉作品の魅力を感じている私としてはたいへん物足りないものがありました。
そして、アンケートは必ず出そうと思いました。(でも私はジャンプで一番尾玉先生を応援しているわけではないため、自分の好きな他の漫画家と同時に掲載される場合には、そちらを優先してしまうのですけれど) |