こおろぎあぽじ「少年エスパーねじめ」
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「エクストラビ―ジャン」99年12月30日号 掲載

第172回 月例BJ一旗コミック新人賞 奨励賞受賞
18ページ


 99年末に発売された「ビジネスジャンプ」の増刊号に掲載された、新人のギャグ漫画です。
 少年エスパー”響ねじめ”は少年エスパーである。クラスのアイドル”練川えすてる”のお腹にテレポーテーションで便意を移したり、給食に出てきた嫌いなお豆を練川さんのお口の中に移したりと大忙し。クラスいちのハンサムボーイ”輝あびぶ”くんと練川さんの仲を妬んで、彼に決闘を申し込むが……!!
 リアルタイムで読んだ人でさえ記憶の彼方に追いやられているであろうこの作品が俄かに脚光を浴び始めたのは、週刊少年ジャンプ2001年46号において、「純情パイン」の尾玉なみえ先生の読切「少年エスパーねじめ」が掲載された週です。
 「ねじめ」を検索してみた人が、「OHP」の99年11月の日記に、こおろぎあぽじの「少年エスパーねじめ」の感想が書いてあるのを偶然見つけ、同じタイトルでその内容も尾玉先生の「少年エスパーねじめ」によく似ているため、”こおろぎあぽじ”とは尾玉先生のことだろうか、「純情パイン」がデビュー作ではなかったのか、と話題になりました。
 尾玉先生といえば、「純情パイン」で2000年上期の第52回赤塚賞準入選を受賞し、2大賞の発表記事と同時に同作品が週刊少年ジャンプ2000年27号に掲載され、それがデビュー作ということになっていました。続いて2000年夏の赤マルジャンプでも読切「純情パイン」を発表した後、週刊少年ジャンプ2000年47号から「純情パイン」の連載が始まりました。2001年9号まで、全13話です。2001年4月に発売されたコミックス(全1巻)では、この連載版のみが収録されました。

 そんな尾玉先生の待望の新作と同タイトルの物を、過去に別PNで発表してるかもしれないと知り、その作品を入手し読んでみました。
 結論から言うと、これは尾玉先生が描かれたものに間違いないと言えるでしょう。
 タイトルや登場人物の名前、エピソードの一部が同じで、ストーリーや作風にも類似点が多くあります。ただ、赤塚賞受賞作の「純情パイン」の半年前にしては絵が随分と稚拙で、主要登場人物の顔が全部同じであるのにタッチが現在とはやや違うなど、これが「少年エスパーねじめ」ではない別のタイトルであったら、ペンネームが違うこともあり尾玉先生の作品であると断定するのは困難だったでしょうし、これが発掘されることもなかったでしょう。

響ねじめ←主人公:少年エスパー響ねじめ(尾玉なみえ名義でのねじめの方がかわいい)
共通点: 1.タイトル
      2.主人公の名前(響ねじめ)
      3.クラスのアイドルの名前(練川えすてる)
      4.出だしのモノローグ「少年エスパー響ねじめは少年エスパーである。」
      5.第1エピソード(ウンチをテレポーテーションで他人に移したつもりが練川さんの腹の中に)
      6.ねじめの服装(ただしベルトのバックルの形が四角く《なみえ名義では楕円系》、ベストの袖ぐりもなみえ名義のがかわいい)
      7.効果音のところどころが尾玉先生っぽい。
相違点: 1.テレポーテーションの時の呪文とポーズ あぽじ→「テレポーーーーテーーーシャン」
                              なみえ→「たりくぅ〜また!」 
      2.最初のエピソード(ウンチ移動のオチは違う)以外は、ストーリーが全然違い、ねじめの性格もちょっと違う。
3P2P←2、3ページ目

 こおろぎあぽじ「少年エスパーねじめ」は、最初のウンチのエピソードの後は2ページごとに小見出しが付き、全部で8つのエピソードが続きます。以下、その粗筋を紹介します。(注:「やだい、アタイはEXBJの「ねじめ」を自力で探してきて読むんだい!ネタバレなんてするなぃ」という方は飛ばしてください)

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「豆爆弾」 給食に出てきた嫌いなお豆をテレポーテーションで人の皿に移そうとするも失敗し、練川さんのお口の中へ。「『いただきます』の前に食べてる」とクラスメイトから吊るし上げられる練川さん。ねじめが、まめとよだれにまみれ汚れた練川さんを見たくなったと同時に、練川さんのおくちの豆は増えていく。

「強襲 輝あびぶ」 クラスいちのハンサムボーイ「輝あびぶ」くんは、練川さんの失くした笛をいつも見つけてきてくれる。誰もいない教室で、恍惚と練川さんの笛を舐め舐め。

「妥協ガール」 笛をあげるからもうやめてくれと輝君に頼む練川さん。変態扱いされたことを怒るが、笛は欲しがり、もらってもやめないと告げる輝くん。二人をこっそり見てた”ねじめ”は練川さんの困った顔をもっと見たくなる。

「ばかリフトアップ」 「練川さんをいじめるなあ」と飛び出すねじめ。だが逆に輝君に一発でKOされる。練川さんが輝君を責めている隙に、念動力で浮いて逃げる”ねじめ”。

「けもの道」 輝君に負けて必殺技が欲しくなったねじめは、土手で子供とゲームボーイを取り合ってケンカするお兄さんを見かける。兄さんの技(四の字固め)を見て「あれだ!!」

「トュルーけもの道」 兄さんと特訓をする”ねじめ”。「スグ終わるからスグ!!」サウナの風呂場で兄さんからレイプされそうになる”ねじめ”。兄さんに全裸で四の字固めをかけるも、兄さんは気持ちよさそう…。

「おきゃん'99」 笛をなめさせてくれるよう練川さんに頼む輝君。「私とお付き合いして お付き合いしてる同士ならなめてもいいと思うの」 練川さんの部屋で、思う存分笛を舐める輝君。イチャイチャする二人を、窓の外から眺める”ねじめ”。

「復讐鬼」 土手でデート中の輝君に決闘を申し込む”ねじめ”。まちがえて練川さんに四の字固めをかけちゃった。輝君は、痛がる練川さんのランドセルの中の笛を狙う。

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 因みに、扉の「こおろぎあぽじ」という名前の上には<●一旗出身99年最後の俊才?>と書いてあります。
 この一旗賞とはビジネスジャンプの月例新人漫画賞で、「少年エスパーねじめ」は第172回奨励賞を受賞したようです。その回の締め切りは99年8月末日で(因みに「純情パイン」の第51回赤塚賞は2000年3月末日が締切でした)、結果発表は9月後半に発売されたビジネスジャンプです(私は全く興味ありませんが、選評が気になる方はその号を探してみては?)。
 欄外のファンレターの宛先では、<鮮烈デビューの大型新人!>というコピーも。どうやらBJでもこれがデビュー作のようですね。
 尾玉先生は「純情パイン」で彗星のように登場したものだとばかり思っていたため(赤塚賞受賞以前に天下一漫画賞の最終候補に残ったことがあったとしたら、すぐにネットでその情報が出回るはずだから)、まさかその半年前に青年誌の増刊号でデビューしていたとは!! しかも「こおろぎあぽじ」なんて名前で(尾玉先生の漫画の登場人物にいそうな名前だな)!! 探したらまだ出てくるのかもしれませんね。(私はやらないけど)

 それにしても、WJ46号の読切のタイトルが「少年エスパーねじめ」でなかったら、「OHP」の芝田さんが当時感想をネットにアップしなかったら、絶対に発見されなかったであろう、「純情パイン」以前の尾玉先生の過去でした。 (2001/10/28)

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