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平成13年3月、桜のつぼみも膨らんできた頃息子の卒園式がやってきた。約5年間お世話になった保育園ともとうとうお別れの日がやってきた。園舎は新しく改築されピカピカの教室で保育園とも最後の日を迎えたことは息子にとって良い思いでとなっただろう。式の時間が近づいてくるとお母さんたちが続々とやってきた。中には夫婦で主席する人達もいて、チョッピリ羨ましく思った。僕も母ちゃんと別れなければ、あんな風にいっしょに卒園式に出て幸せそうな家族に見えたのかもしれない。
式の時間が近づいてきた。数日前にばあちゃんから言われた言葉を思い出した。「なぁお前、健太郎の歌を聞くと泣けてきちゃうかもしれないよ。」僕はどんな事があっても泣くものかと思っていた。息子の前で涙は見せられない。もし目がしらが熱くなったら他の事を考えようと思っていた。しかし、いざ式が始まって園児たちがお別れの歌を歌い出したとたん、涙がポロポロとこぼれてきた。心の中では『泣いちゃいけない。泣いちゃいけない。』と思っても涙は止まらなかった。母ちゃんと別れてから毎日この保育園に通い、熱が出たと言えば、仕事中でも迎えにきて病院へ連れて行ったり、保育園の行事にも都合がつけば殆ど出席してきた。そんな出来事が次ぎから次ぎへと頭の中をかけ巡っていた。他の事を考えようと思っても無理だった。きっと別れた母ちゃんも息子の成長した姿を一目で良いから見たかったことだろう。たとえ別れたとはいえ自分のお腹を痛めて生んだ子供だ。もしかしたら園舎の近くから見ていたかもしれない。いや、見ていたかもしれない。僕はそう信じていたかった。
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